ASDのための家庭教師
特性を活かした指導法
「ASDでも教えてもらえるのかしら?」
「アスペルガー症候群だけど大丈夫なの?」
「自分のやり方を変えようとしないのよ…」
「うちの子でも家庭教師で伸びるの…?」
私たち家庭教師のジャニアスでは、ASDのお子さんをお持ちのご家庭の方から、勉強に関するさまざまな悩みをお聞きしてきました。
今、このページをお読みの親御さんは、お子さんのASDの特性に悩みながら、勉強や受験のことでも不安をお抱えで「家庭教師なんてどうかしら?」という思いでこのページにたどりついたのではないでしょうか。
たしかに、ASD(自閉スペクトラム症)の特性を理解しないまま、できないことをムリにやらせようとしてしまうと、子供の発育に悪影響を及ぼしてしまうこともありますし、保護者の方にとっても大きなストレスを抱えてしまう結果になるかもしれません。
しかし、私たちはASDは”個性”だと考えています。
勉強をあきらめる必要は全くありません!
むしろ、特性をしっかり理解した上で得意な分野を伸ばしてあげることができれば、お子さんはとんでもない力を発揮することもあります。
私たちジャニアスでは、ASDの特性を持つお子さんの指導の際は、学校の勉強をできるようにするだけではなく、お子さんが本来持っている力を最大限に引き出すことを意識しています。
実際に家庭教師を始めてからは、勉強に苦痛を感じていたお子さんたちが得意な分野を見つけて自信をもってくれたり、家庭教師の先生との授業を楽しみにしてくれたりしています。
このページでは、ASD(自閉スペクトラム症)をお持ちのお子さんに、私たち家庭教師がどのような工夫と心掛けで教えさせていただいているかを実例と共にご紹介させていただきます。
~発達障害のひとつ~
ASD(自閉スペクトラム症)とは?
発達障害の一部であるASD(自閉スペクトラム症)は、「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」をまとめた総称のことです。
自閉症は、知的障害と言葉の遅れを伴い、人とのコミュニケーションを取るのがとても困難であることと、趣味や行動への強い固執(こだわり)があることが特徴です。
高機能自閉症は、知的障害の見られない自閉症で、対人関係の困難さや、こだわりを持つことなどが特徴です。
アスペルガー症候群は、知的障害はありませんが、こだわりが強く、対人関係も少し苦手です。人によっては優れた才能を発揮することもあります。
ASD・自閉スペクトラム症 | |||
---|---|---|---|
自閉症 | 高機能 自閉症 |
アスペルガー 症候群 |
|
対人関係 | とても困難 | 困難 | 少し困難 |
言葉の遅れ | ある | ある | ない |
知的障害 | ある | ない | ない |
こだわり | ある | ある | ある |
~ASDとは?~
ASDを持つお子さんの特性
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんには次のような特性があります。
複数が当てはまる子もいれば一部のみ当てはまる子もいます。
- 常識的なことを理解するのが苦手
- 雰囲気を感じ取ることが苦手
- 相手の表情を読み取ることが苦手
- 強いこだわりがある
- モノを集める・並べることが好き
- 感覚刺激に極度に過敏。または鈍感
常識的なことを理解するのが苦手
例えば、順番を待っている人の列に、何の悪気もなく割り込んでしまうことがあります。みんなが順番を待っていたら自分も順番通りに並ばなければいけないという常識的なことやルールを理解することが苦手です。
雰囲気を感じ取ることが苦手
例えば、全校集会のときに突然しゃべり始めたり、歌ってしまったりすることがあります。この場では静かにしていたほうがいいという空気を感じ取るのが苦手なのです。逆に「静かにしましょう」とアナウンスがあれば静かにすることができます。
相手の表情を読み取ることが苦手
例えばお子さんがしてはいけないことを注意するときに、「やめて」「それはやらないで」など、口頭で注意すれば言うことを聞けるのですが、「目で合図を送る」「にらみつける」などの表情で語りかけてもなかなかそれを感じ取ることができません。
強いこだわりがある
さまざまなことに対して変更を嫌います。例えば通学のときに必ず同じ道を通ろうとしたり、何度もやったことがある計算問題でもしっかり筆算を立てて丁寧に計算しようとします。無理にそれを変えようとすると強い拒否反応を示します。
モノを集める・並べることが好き
自分の好きなモノを集めたり、それを自分の中のルールにそって並べたりすることが好きです。たとえば大量のカードゲームのカードを、まっすぐに並べたり幾何学的な形に並べたりします。好きなモノへの執着とルール化した並べ方にこだわりを持ちます。
感覚刺激に極度に過敏。または鈍感
音や光などに対して強い痛みのように感じてしまうなど、感覚刺激に過敏です。逆に血が出るようなケガをしても気が付かないような、痛覚に対して極度に鈍感なケースもあります。
~ASDとは?~
アスペルガー症候群の特性
アスペルガー症候群はASDの中に含まれている特性で、ASDとアスペルガー症候群の違いというものはなく、ASDの特性を持つ方の中にアスペルガー症候群の特性を持つ方がいるというイメージです。
ASDの特性を持つお子さんの中で、言語の遅れが見られないのがアスペルガー症候群の特徴です。むしろ他の同年代の子供に比べて、難しい言葉の表現が使えたり、大人びた話し方をしたりする子が多い印象です。
とても理路整然とした話し方をしますが、自分の話したいことを一気にしゃべってしまったり、相手が話題を変えたり話を遮ってしまったりすると怒ってしまうことがあります。
遠まわしな表現や比喩を使った表現が苦手なので、伝えたいことを短く簡潔に伝わるように言ってあげるとコミュニケーションが取りやすくなります。
アスペルガー症候群の名称について
2013年5月に改訂されたアメリカ精神医学会の診断基準DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)から「アスペルガー症候群」の名称が消えました。日本でもいずれ使われなくなる診断名と考えられています。参照: 厚生労働省「e-ヘルスネット」 より
~家庭教師の指導で感じること~
ASDのお子さんはこんな子が多い
~ASDのお子さんはこんな子が多い~
メチャクチャ得意分野がある
ASDの特性を持つお子さんは、苦手なこともある一方で、得意な分野はメチャクチャ得意です。
私たちが教えている生徒さんの中にも、計算力が非常に高く、桁数の多い面倒な計算でもすごいスピードで終わらせることができる子や、歴史が大好きでマニアックなことまで徹底的に調べてどんどん覚えてしまう子もいました。
このようにASDの特性を持つお子さんは、苦手な分野がある反面、得意な分野・好きな分野についてはトコトン突き詰めて勉強していく子が多いですね。
~ASDのお子さんはこんな子が多い~
自分のルールを曲げられない
ASDの特性を持つお子さんは、勉強する時間の長さや時間帯、勉強のやり方など、一度身に付けた方法や自分の中のルールをなかなか変えることができません。
例えば、家に帰ったらすぐに机に向かうという決まりを作っている子は、必ず毎日家庭学習をしてくれます。それどころか「今日はやらなくてもいいよ」と言うと怒ってしまうこともあります。
問題の解き方については、いろいろな解法を使い分けることが困難なので、基本的な解き方で素直に解いていくことが多いです。「こんな解き方があるよ」と教えてしまうと混乱してしまうこともあるので、「この解き方ならほとんどの問題が解ける!」という、必殺技のような解法を教えてあげることが多いです。
~ASDのお子さんはこんな子が多い~
集中力がホントにすごい!
一度勉強のスイッチが入ったら絶対に途中でやめようとしません。すごい集中力で解いています。一生懸命取り組んでくれるので、私たち家庭教師も教えがいがあります。
ただ、お子さんのレベルに合っていない問題や、まだ習っていない知識が必要な問題を与えてしまうと、解けなくて精神的なダメージを受けてしまうこともあるので、問題を与える時はしっかり選んであげるようにしています。
~ASDのお子さんへの工夫~
実際に教えている生徒の実例
ここからはASDの特性をお持ちのお子さんに対して、私たち家庭教師がどのような工夫をして教えさせていただいているかを“実例”とともに紹介させていただきます。
~実際に教えている生徒の実例~
文章を読み込むのが苦手
中学1年生の男の子。
鉄道が大好きで総武線の駅名を全部暗記していました。すごい!お母様から「発達障害かも」というご相談があり、専門機関に調べてもらったところ、特性的にはASDが最も近く、ADHDの特性もあったようです。
定期テストの点数はどの教科も60点前後ですが、文章を読み込んで答える問題がなかなか解けずに苦労していました。
\ こんな風に教えています /
生徒に合わせて問題を選びました。
計算や暗記が得意な生徒でしたので、まずは得意な問題だけを選びながらどんどん解いてもらいました。できた問題については、その場で具体的に褒めてあげて、とにかく自信をつけてもらうことに重点を置きました。
読解力が必要な問題については無理に解かせないようにして、比較的文章量の少ない問題や意味が理解しやすい問題を選んで与えるようにしました。
~実際に教えている生徒の実例~
始めたことをやめられない
小学4年生の男の子。
病院でASDの特性があるという診断を受け、算数と国語は特別支援学級で授業を受けています。理解力はある子ですが、一度始めたことをやめられない特性を持っていて、周囲がやめさせようとすると怒ってしまいます。
例えば、数枚のプリントに取り組み始めると、最後までやり終えないと気が済まなくなってしまい、途中で区切りを付けられなくなってしまいます。
\ こんな風に教えています /
課題を細かく仕分けして区切りを!
宿題を出すときには「出来るところまでやっておいて」というようなあやふやな指示ではなく、細かく仕分けをしながら「ここまではやって、ここからはやらなくていいよ!」と具体的に区切りをつけるように意識しました。
学校から出された宿題も、本人にやってほしい問題と、家庭教師の授業中に手伝ってあげる問題を選別して、とにかく「やらなくてもいいところ」を認識してもらうように指示しました。
以前までは宿題が上手くこなせずに癇癪を起してしまうこともありましたが、課題の仕分けをすることでストレスなく家庭学習ができるようになりました。
~実際に教えている生徒の実例~
学校の先生の指示が理解できない
小学2年生の女の子。
支援級に所属している優しい女の子。発達に遅れがあるということで相談を受け、ジャニアスで家庭教師を始めることになりました。
学校の先生の指示がなかなか理解できずに、学校の生活面と勉強面で苦労をしていました。
\ こんな風に教えています /
指示を簡潔にわかりやすい表現で
与える指示を簡潔にわかりやすい表現で伝えるように意識しました。きちんと与えた内容が伝わったときにはたくさん褒めてあげました。
できなかったときにも「ここはできていたよ!次はこうするともっと良くなるよ!」というようにポジティブに伝えるようにしました。
少しずつ楽しく勉強に取り組めるようになり、お互いに家庭教師の日が楽しみになっていきました。
~実際に教えている生徒の実例~
わからない問題にイライラ…
中学2年生の女の子。
明るくて話しやすい生徒さんです。漫画やアニメが大好きで絵を描くことも好き。お母さんからアスペルガー症候群の特性を持っているという相談を受けましたが、そのことは本人には内緒にしているとのことです。
勉強に対してはとても前向きで頑張り屋さんですが、わからない問題にあたってしまうとイライラしてしまいます。
\ こんな風に教えています /
できない時こそ褒めてあげました!
問題が解けないときにイライラしてしまうので「できない所を発見できたことはラッキーだよ!」ということを何度も伝えて、できない時こそ「やったね!発見できたね!」と褒めてあげるようにしました。
指導日以外の日は、わからない問題をLINEで送ってもらうというルールを設けました。その都度「やったね!ラッキー!」と返信してあげたので、できない問題に対する恐怖心が少しずつ減ってきたと思います。
~実際に教えている生徒の実例~
こだわりが強く不登校気味に…
小学5年生の男の子。
学校の授業についていけなくなったことで不登校気味になってしまいました。色々な面で“こだわり”がかなり強く、好きなことにはのめり込むのですが、興味のないことは一切やらないお子さんです。
お母様の意向で家庭教師を始めましたが、勉強には一切の興味がなく、すぐにおしゃべりが始まって止まらなくなります。しかし、点数が悪いときは人一倍悔しがるので、その悔しい気持ちを突破口にしました。
\ こんな風に教えています /
小さな成功体験を積み重ねました!
まずは勉強に興味を持ってもらえるように、できるだけ面白くユーモアを交えて教えるようにしました。また、定期的に簡単な小テストをやってもらって、小さな成功体験を積み重ねていきました。
失敗した時にはめちゃくちゃ悔しがりますが、できた時は人一倍喜んでくれるので、だんだん勉強も楽しくなってくれました。
~実際に教えている生徒の実例~
時間内に課題をこなせない
小学3年生の男の子。 決まった時間内に課題をこなすことが苦手で、机に向かっている時間が極端に長いです。特に文章を読むことが苦手で、声に出して読んでも感情がこめられず、ただ字面だけを追って読んでしまいます。
学校から出される国語の音読の宿題で相当苦労していました。
\ こんな風に教えています /
音読はお休み!少ない課題で達成感を!
感情を込めて話したり音読したりすることは、ASDの特性を持つお子さんにとって最も苦手な分野のひとつです。お母様から学校の先生にこのことを伝え、音読の宿題は一旦お休みにしてもらい、他の分野の勉強をする時間を増やしました。
また、「宿題が終わった」という達成感をより多く感じてもらうために課題の量を少なめにして、夕ご飯の前の課題、寝る前の課題、というように小分けにして、1回で出来る量を5分~10分程度にしました。
ひとつひとつの勉強量は少ないですが、課題の種類を小分けにすることで、達成した喜びを感じられるようになってくれました。
~ASDのお子さんへの配慮~
家庭教師の指導で心がけていること
~家庭教師の指導で心がけていること~
子供の前でASDのワードを出さない
ご家庭によっては、お子さんがASDの特性を持っていることを本人には秘密にしていて、家庭教師をはじめられる際に「子供にはASDであることを言っていないから先生からも秘密にしておいてください」と言われるケースもあります。
もちろん、秘密にしている・していないに関わらず、私たち家庭教師がお子さんの前で「発達障害」「ASD」「アスペルガー症候群」などのワードを出すことはありません。
家庭教師が指導する際に、生徒さん本人に自分の特性を意識させる必要はありません。もともと勉強に関しては分野を選んであげれば素晴らしい力を発揮できる子たちなので、私たち教える側が少しだけ配慮してあげることで、勉強への考え方が大きく変わってくれるのです。
~家庭教師の指導で心がけていること~
伝えることをあきらめません
ASDの特性を持ったお子さんは、他人の気持ちを考えたり、表情を読み取ったりすることが苦手です。そのため、私たちの指示がうまく伝わらないこともあります。
そんな時、私たちが意識していることは「伝わらないことにイライラしない!」ということです。
上手く伝わらないことがあるのは仕方がないこと。もしイライラしてしまうと、お子さんも先生とのコミュニケーションが上手くいかないことに気付き、どんどん不安になってしまいます。様子を見ている保護者の方も心配になりますよね。
伝わらなかったときは、直接的な言い方や簡潔な言い方に直して伝えるように意識しています。また、言葉だけでは伝わらないときは、紙に内容を書いてあげるなど工夫をしながら、どのような形での伝え方がお子さんに伝わりやすいかを試行錯誤していきます。
私たちは指導中のお子さんとのコミュニケーションをあきらめません。
~家庭教師の指導で心がけていること~
子供のやりたいことに寄り添う
ASDの特性を持つお子さんに勉強を教えていると、環境さえ整えてあげればすごい集中力を発揮してくれます。テストに出ないような問題でも強い意志で取り組もうとするときがあります。そしてやり始めるとなかなかやめようとしません。
そんなとき、テストに出ないからといって無理やり勉強を中断させるべきでしょうか?
私たちは、お子さんが一生懸命取り組んでいる勉強にはしっかりと寄り添い、向き合うようにしています。たとえテストには出ない問題でもお子さんのいいところを伸ばしてくれる問題かもしれません。
お子さんが真剣に取り組んでいる問題には、私たち家庭教師も全力で向き合います!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ジャニアスのスタッフ ”かずや”と申します。
私たちジャニアスは、千葉県専門の家庭教師グループとしてこれまで 25年間、たくさんのお子さんに学習面のサポートをさせていただいてきました。
その中には、このページでご紹介させていただいた発達障害の特性をお持ちのお子さんもたくさんいらっしゃいました。
発達障害はお子さん独自の個性。
とは言っても、集団行動や協調性を大切にする学校や学習塾では、一人ひとりの個性に合った授業を受けることは難しく、お子さんの特性に合わせられない指導法では、その力を最大限に引き出すことは困難なのが現実です。
私たち家庭教師のジャニアスは、お子さんの特性をしっかりと理解した上で、お子さんの気持ちに寄り添いながら、それぞれの特性に合わせた指導法と環境づくりで、やる気と自信を取り戻してあげることには自信を持っております。
発達障害は、少しでも早い段階での療育と特性に合ったサポートを適切に行うことで、そのマイナス面の特性が目立たなくなることもあります。また、得意分野を伸ばしてあげることで、お子さんの才能が大きく開花することもあります。
もしも、勉強面での不安や心配なことがありましたら、今すぐ、私たち家庭教師のジャニアスにお声をかけていただけませんか?
このページをご覧いただいている方の中には、「家庭教師は初めて…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは勉強を教えるだけではなく、勉強以上に大切なことも教えてあげられる存在だと自負しています。
今なら、無料の体験授業で、勉強のやり方から丁寧に教えていますので、ぜひ、私たちジャニアスの家庭教師サポートを試してみてください。
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