こんにちは。
家庭教師のジャニアスの木戸です。
今日は、不登校の出席扱い制度においての『真の目的』についてお話させていただきます。
保護者と学校、そして私たちのような家庭教師センターなどの民間業者と連携を取りながら、不登校のお子さんが自宅学習をすることで「出席扱い」にしてもらえるこの制度。
では、その目的って何だと思いますか?
「子供に勉強をさせるため?」
「内申書の欠席日数を減らすため?」
「学校復帰のキッカケにするため?」
はい。その通りです。
ですが、さらにそこから突き詰めた『真の目的』があることは、なかなかお気付きになれないかもしれません。
この記事では、不登校の出席扱い制度における『真の目的』についてお話させていただきます。不登校のお子さんをお持ちの親御さんはもちろんですが、学校の先生方にも読んでいただきたいと思います。
不登校の出席扱いとは?
『不登校の出席扱い』というのは、不登校の小・中学生が、自宅で勉強を頑張った日数を学校の出席(扱い)として認めてもらえるという文科省が推奨している制度のことです。
さまざまな原因から教室に入れなくなってしまった不登校生は、欠席日数が積み上がっていくのと同時に、学習の遅れが加速し、高校進学にも影響が出てしまうのが現実です。
また、不登校状態が続けば続くほど、さらに学校に行きづらくなってしまうという悪循環にも陥ってしまいます。
そのような状況から抜け出すためにも、自宅で勉強することで自身の学力を高め、さらに「出席扱い」として学校に認めてもらうことで、学力不足と高校受験における欠席日数の不利が解消できるという一石二鳥の制度が『不登校の出席扱い』というわけです。
良いことづくしに見えるこの制度ですが、学校の先生方と協議させていただく中で、ある懸念が想定されていました。
想定されていた「懸念」とは?
それは、出席扱いになることで、
「学校に行かなくてもいいじゃん!」
という考えを持ってしまうリスクが生じること。その結果、かえって不登校状態を長引かせてしまうのではないかという懸念です。
また、毎日登校している生徒たちから見れば、
「あの子は不登校なのに出席になってズルい!」
という不公平感を持たれてしまう可能性も挙げられました。
確かにその通りです。
そもそも学校教育における「出席」とは、学校に登校し、教室に入って授業を受けること。いくら自宅で何時間も勉強を頑張ったところで、本来の「出席」ではないことは明白です。
そんな常識がある中で、登校しなくても自宅で勉強すれば出席扱いとして認められるという本制度の利用に、学校教育やその公平性の観点から消極的なお考えをお持ちの先生方がいらっしゃるのは当然のことです。
しかし、この制度の真の目的は、単に欠席日数を減らすことや高校入試における不利を補うことではありません。それは、子どもの自己肯定感を高めることにあります。
真の目的は『自己肯定感を高める』こと
自己肯定感は生きる力を育むために超重要なもの。
子どもたちにとっての自己肯定感は、学びの質や学習意欲、そして将来的な成功への道を大きく左右します。
特に不登校の生徒には、さまざまな理由から自己肯定感が低い子が多く、彼らは学校の環境やクラスメートとの関わりなどで自分の価値を疑問視してしまうことがあり、それが人間関係や学ぶ意欲に対するモチベーションの低下にも繋がります。
自己肯定感が高まることで、子どもたちは自分に自信を持てるようになり、新しいことに挑戦する勇気や困難な状況にも前向きに取り組む姿勢が生まれます。
不登校の子どもたちにとって、この自己肯定感の育成は、学びに対する姿勢や学校生活への復帰、そして将来の社会的参加において非常に大切な要素となるのです。
不登校の出席扱いがもたらす効果
この制度の利用を通じて、不登校の生徒は家での学習内容が学校の先生に認知され、その努力が「出席扱い」として具体的な成果として認められます。
その結果、学習への関心やモチベーションも高まりますし、学びのプロセスにおける自分の位置や進捗も理解することができます。
このようなポジティブなサイクルは、不登校生の学習意欲やその継続性をサポートするだけではなく、社会的な繋がりや信頼関係の構築にも寄与します。
結果として、学校復帰や社会的な参加の際にも、より積極的に取り組めるようになる可能性が高まっていくのです。
不登校の出席扱いは、単に「欠席日数を減らす」ためのものではなく、子どもたちの心の中にある自己肯定感を高め、それを基盤にした健全な学びの環境を築くためにあるものだと言えると思います。
あるご家庭から嬉しいLINEを頂きました。
先日、出席扱い制度を利用されている保護者様から、とっても嬉しいLINEが届きました。
お母様から掲載の許可をいただきましたので、スクショを紹介させていただきます。
これまではお母様がお手紙やテスト問題を学校にもらいに行っていたそうですが、この制度を利用するようになってからは、お子さんも自ら一緒に学校に行き、担任の先生とのコミュニケーションを取るようになったとのこと。
これは本当に素晴らしい変化ですね。
こちらの生徒さんの中学校では、出席扱いとして認めていただいた日にちや日数を、保護者様と生徒さんにフィードバックしてくれています。
生徒側がそれを知ることで、家庭教師との勉強や自宅学習を頑張ったことが出席扱いという成果として”見える化”され、「頑張ってよかった!」「もっと頑張ろう!」という前向きな気持ちにどんどん変化していくのです!
先生方の理解と協力をお願いします。
私たちの目指すところは、欠席日数を減らして高校受験における調査書の不利を補うことや、不登校の生徒たちが学校に復学することだけではありません。
彼らが自分自身を肯定的に捉え、自分の力を信じて前に進むことができる環境を作ることで「自己肯定感」と高めることが真の目的です。
制度の利用に対するリスクや懸念は十分に理解しておりますが、それよりも子供たちの心の成長や自己肯定感の向上を優先していただきたいと思います。
不登校生徒の親御さんから「家庭教師のジャニアスで出席扱いの制度を利用したい」という相談を持ち掛けられた際には、ぜひとも前向きに検討していただけたら幸いです。
何卒、先生方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
本制度の利用を認めて下さった先生方へ
「不登校の出席扱い」という制度の利用に関して、毎月の学習記録の受け取りや確認など、先生方には大変な手間をおかけしていること、深く認識しております。私たち家庭教師は目の前の1人の生徒に集中して指導することができますが、先生方は多数の生徒たちを持ち、その一人一人に向き合うことの難しさや大変さを、私たちよりもずっと理解しています。
それでも本制度の利用を許可していただき、不登校の生徒たちの学びを支援してくださる先生方のご理解とご協力には感謝の気持ちしかありません。先生方のその大きな愛情と熱意によって、生徒たちは自己肯定感を育むことができ、学びの道を再び歩み始めることができるでしょう。
家庭教師が教えている生徒も、先生方が教えている教室の中の生徒も、すべてが大切な存在です。それを共有する思いから、一緒に子どもたちの未来を支えていただいている先生方に、この場を借りて深く感謝申し上げます。
日々の業務の中でのこの制度の取り組みは、先生方にとっても大きな挑戦かと思います。しかし、その一つ一つの努力が、子どもたちの明るい未来を築く礎となっています。これからも、私たち家庭教師と学校との連携をさらに強化し、一緒に子どもたちの成長をサポートしていけるよう努めて参ります。
最後に、日々の教育現場での献身的なご対応と、この制度を通じたサポートに対する深い感謝の意を込めて、あらためてお礼を申し上げます。