こんにちは!
家庭教師のジャニアスの藤原です!
突然ですが、私、藤原が家庭教師の体験授業でお伺いした際に、中学3年生の受験生の親御さんからこのようなご質問いただくことがあります。
それは…
「私立高校の入試科目は3教科だから、英数国の勉強だけでいいのよね?」
ということです。
確かに公立高校の入試科目は5教科ですが、私立高校の入試科目は英数国の3教科がほとんど。そのようなお考えはとってもよく分かります。
ですが、私立高校入試で重要なのは、
3教科だけではなく5教科すべての勉強です!
また、意外な事実として、そもそも私立高校の推薦入試では、一部の難関校を除き、本番の入試得点はほとんど合否には関係ないということも知っておいてください。
千葉県における私立高校入試には、このような、多くの人が気づいていない驚くべき真実があります。この記事では、千葉県で私立高校に合格するためのキーポイントを2024年度の最新情報を踏まえて、徹底解説します!
ジャニアスのHPにも、詳しい内容を掲載しておりますので、ぜひ参考にしてください!
今回の内容をYoutubeでも公開していますので、ぜひ!そちらもご覧ください。
私立高校の推薦区分には、高校が定めている推薦基準を満たした上で中学校が推薦する「学校推薦」と、推薦基準に満たない生徒でも受験できる「自己推薦」がありますが、この記事で紹介しているのは「学校推薦」です。自己推薦は実施している高校が少ないため、多くの受験生は「学校推薦」で受験するのが一般的です。
一般メイン型と推薦メイン型
はじめに、私立高校の入試方法においては、一般入試の募集枠が多い「一般メイン型」と、推薦入試の募集枠が多い「推薦メイン型」の2タイプに分けられていることについてお話させていただきます。
私立高校を志願する場合、志望校がどちらのタイプの高校なのかが判断できれば、勉強の計画も立てやすくなりますので、それぞれのタイプにどんな高校があるのか、実際の高校名をいくつか挙げながら解説していきますね。
本番勝負!学力重視の【一般メイン型】
推薦枠が少なく(または一切なく)、一般入試の本番の入試得点で合否が決まるタイプの高校です。一般メイン型の高校は、そのほとんどが難関校になります。
なぜなら難関校は、本番の筆記試験で合格点を超える!という高い山を超えて入学して来る生徒を求めているからです。
一般メイン型の千葉県の私立高校は…?
たとえば、渋谷幕張高校、昭和秀英高校、市川高校、成田高校。渋幕は全国屈指の難関校ですし、市川、昭和秀英、成田も名前の通ったレベルの高い高校ですよね。
他にも、八千代松陰高校、芝浦工大柏高校、専大松戸高校、麗澤高校、日大習志野高校など。いずれも偏差値が65以上のレベルの高い高校です。
こういった難関校では、推薦入試ではなく一般入試をメインにしているのです。
内申の推薦基準で決まる【推薦メイン型】
募集枠の大半が推薦入試の区分で、一般入試の募集枠が少ないタイプの高校が推薦メイン型です。千葉県の私立高校では、そのほとんど(9割以上)が推薦メイン型となっています。
推薦メイン型の千葉県の私立高校は…?
数が多すぎて紹介できません…。先ほど紹介した一般メイン型以外のほぼ全ての高校です。
推薦メイン型の推薦入試では、入試本番の筆記テストの得点は合否にほとんど関係なく、各高校が定めている推薦基準をクリアできていれば合格の確約がもらえるというしくみ。
筆記テストの点数は、高校入学後のクラス分けの参考にしたり、入学金や授業が一部免除になる特待生(奨学生)の判定など使われたりします。
千葉県の私立高校を推薦入試で受けたいとお考えの方は、推薦入試で合格するための要素をしっかりと理解してください。なぜなら推薦入試は、私立高校を第一志望にする生徒も、公立高校や他の私立高校の併願(滑り止め)として受験する生徒も、多くの受験生が広く活用することになるからです。
体験授業でお話させていただく中でも、中3の受験生のご家庭からは、「もっと早く知っておきたかった…」「私立受験は3教科だけだと思っていた…」という声もよくお聞きします。
ですので、私立高校を推薦合格するための要素について、この記事でしっかりとお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みくださいね!
単願推薦と併願推薦
私立高校の推薦入試には、大きく分けて「単願推薦」と「併願推薦」の2種類があります。
ちなみに千葉県の公立高校は一般入試のみで推薦入試はありません(昔は特色化選抜という自己推薦がありましたが今は存在しません)。また、千葉県の公立高校入試は「第一志望」が前提となっていますので、基本的には「単願」という扱いになります。
単願推薦とは?
単願推薦とは、第一志望の推薦入試で「合格すれば必ず入学する」という確約のもとに出願する志願区分です。単願推薦で合格した場合は、他の高校の入学することができないため、公立高校を受けることはできません。
高校から見ると確実に入学してくれる受験生。
受験生にとっては最も合格しやすい方法です。
もう一つの推薦入試である「併願推薦」に比べると、内申基準が低いのも特徴。私立高校が第一志望であれば、単願推薦で受けるのが最もオススメの受験方法になります。
併願推薦とは?
併願推薦とは、第一志望校(本命校)が別にあり、第一志望校が不合格だった場合に入学するという志願区分。つまり、第二志望でも受けられる推薦入試で「合格しても入学するとは限らない」という入試方法です。
公立高校を第一志望とする受験生のほとんどが、私立高校を併願推薦で受験しています。
単願推薦と同様に併願推薦でも合格の確約はもらえますが、推薦の内申基準は厳しめに。
併願推薦は、「第一志望校に受かったらそっちにいきます!」という受験生にとって都合のよい入試区分ですから、内申基準が少し難しくなるのは当然ですね…。
では、これら2種類の推薦入試を踏まえた上で、推薦がもらえるかどうかの三大要素について理解を深めていきましょう。
推薦入試で評価される三大要素
この「三大要素」が今回の記事で1番大事な部分。
推薦入試で何が評価されるのかわからない、もしくは勘違いしたままで受験勉強を進めてしまうと、高校受験に多くのエネルギーを注ぎ込まなければいけないからです。
逆に、推薦入試で評価されるポイントが明確にわかっていれば、効率よく高校入試をクリアできますよね。
推薦入試の三大要素とは、以下の3つ。
① 内申書の評定基準
② 欠席日数の基準
③ 評定に「1」がないこと
それぞれを具体的に見ていきましょう。
① 内申書の評定基準
評定というのは、成績の5段階評価のこと。
私立高校の推薦における「評定基準」は、中3次の成績で見られることがほとんどです。
ここの「中3次の成績」というのは、学年末の評定(中3の1番最後にもらう成績表)ではないことに注意してください。
高校に提出する評定は、2学期制の中学なら前期の期末テストまで(条件によっては後期の中間テストまで)、3学期制の中学なら2学期の期末テストまでとなっています。
主要5教科(英数国理社)の25点満点を評価するところが多く、中には技能教科も含めた9教科45点満点で見るところや、主要3教科(英数国)の15点満点で評価する学校もあります。
<2024年度入試の評定基準の例>
東葉高校(特進クラス)
・単願推薦「5科20以上」
・併願推薦「5科21以上」
千葉英和高校(総進文理コース)
・単願推薦「5科17以上または9科30以上」
・併願推薦「5科20以上または9科34以上」
東京学館高校(総合進学コース)
・単願推薦「5科13以上」
・併願推薦「5科15以上」
このような、高校が定めた評定基準を満たすことで、推薦をもらうことができます。
つまり…、中3の成績が超大事!ってことです。
② 欠席日数の基準
私立高校の推薦入試には、欠席日数の基準も設けられています。評定基準をクリアしていても、欠席が多いと推薦がもらえないことがあります。
なぜなら私立高校は、ご家庭から授業料や施設費などを払ってもらうことで運営しているので、中学で欠席が多い生徒は、学校に来なくなってしまう可能性があると見なされてしまい、授業料を払ってもらえなくなるリスクがあるからです。
<2024年度入試の欠席日数の基準例>
光英VERITAS高校
・欠席日数は3年間で15日以内
二松学舎柏高校
・欠席日数は各学年10日以内
中央学院高校
・欠席日数は3年間で30日以内
私立高校は公立高校よりも欠席日数を厳しく見られる傾向にあります。また、評定の基準は中3次が多いですが、欠席日数は3年間のトータルで見られることが多いので、中1の時点から欠席日数を増やさないように意識しておきたいですね。
③ 評定に「1」がないこと
内申書の評定に「1」や「未評価」が1つでもあると、基本的にすべての私立高校で推薦をもらうことができません。
評定「1」は、例えば、提出物を出していない上に、テストの点数も0点~20点といったような場合につく成績で、「未評価」は不登校で提出物も出さず、定期テストも受けていない生徒がつけられる成績。つまり、問題のある生徒と判断されてしまうからです。
また「2以下」もNGな高校も増えています。
評定で「1」や「2」を取らないように、定期テスト対策はもちろん、授業態度や提出物の提出からしっかり意識しましょう!
これらの三要素を満たすように、中学校に入学した瞬間から意識して過ごすようにしてください。なぜならこれらの要素は、中学3年生になってから意識してもクリアすることが難しいからです。
ジャニアスの生徒さんや、体験授業をさせていただいたご家庭からお話を聞いても、「急に評定を上げるのは難しい」「一度休み始めると欠席日数を減らすのがすごく辛く感じる」とおっしゃる方がほとんど…。
逆に、中1からこの三大要素を満たすような習慣を身につけることができれば…。もっと言えば、中学に入学する前から、そういった習慣が身についていれば、推薦入試は簡単にクリアすることができます!
「具体的にはどうすればいいの?」
という方は、ジャニアスに相談のお電話をいただいても大丈夫ですし、内申点の上げ方について紹介しているページもありますので、ぜひ参考にしてくださいね。
年々厳しくなる私立高校の推薦入試
ここでもう一つ伝えたい事実として、私立高校の推薦基準が年々厳しくなっています。
2020年度から千葉県における高等学校等就学支援金の額が引き上げられ、所得制限はありますが、私立高校の授業料が実質無償化となりました。
2021年度から公立入試は前期・後期選抜の2回型を廃止し、一発勝負の1回型入試方法に変更しました。
これらの理由によって、私立高校を志願するお子さんが増加し、より優秀な生徒を取れるようになった私立高校は、推薦基準を引き上げているのです。中には併願推薦を取りやめる高校まで出てきました。
先日、総進図書さんの入試動向説明会に参加した時のコラムも参考になるかと思いますので、是非ご覧ください。
推薦入試の合否には「例外」も!
これまで話して来たように、私立推薦入試には、様々なセオリーが存在するのですが、例外もあることに注意してください。学校によって求める生徒像は違いますし、私立人気の影響でルールが変わっていく高校もあるのですよ。
具体例を2つ紹介します。
推薦でもテスト結果が合否に関わる?
たとえば、東葉高校。
推薦入試では、本番の入試の点数にかかわらず合格になることがほとんどですが、東葉高校の場合は、入試テストの点数が悪すぎると「合否について審議の対象となる」とHPに明記されています。
特進クラスの場合、推薦入試を受けることができても、3教科のテストの点数が130点以下だと、進学クラスに落とされてしまう可能性が出てきます。
また、全クラスにおいて3教科のテストの点数が100点以下だと、合否に関しても審議の対象…、つまり不合格の可能性があるということです。
東葉高校を受験する際には、推薦入試でも気が抜けません。過去問をたくさん解いて、しっかりと対策をしておきましょう。
内申基準があるのに推薦じゃない?
たとえば、日大習志野高校。
第一志望入試という単願推薦のような入試区分がありますが、これは単願ですが推薦ではありません。また、内申基準が「5科20以上」となっていますが、これは目安の数値で、基準を下回っていても出願できますし、基準をクリアしていても合格の確約は一切ありません。
合否を決めるのはあくまで入試得点。
第一志望入試で受験するなら、5教科の評定が20以上あったほうがいいよ!という基準みたいですね。
他にもさまざまな例外がある
推薦入試の例外については語りきれないほど細かいものがたくさんあります。
部活の優遇や、特進クラスへのスライド合格、英検などの検定試験の評価など…。例外があるということを頭に入れた上で、志望校を決める際にはその高校についてHPを見たり、入試説明会に参加したりして、最新の情報を把握していきましょう!
千葉県の私立高校の受験パターン
千葉県における、私立高校推薦入試を含めた受験パターンは、以下のようなパターンがあります。お子さんに、どのような受験パターンが合っているか、参考にしてください。
私立を単願推薦のみ
<難易度★>
例:千葉英和高校を単願推薦
前期の成績(3学期制の場合は1学期と2学期)で内申基準をクリアできれば、そこで受験終了と言えますので、最も労力が少なくて済みます。
例で挙げた千葉英和高校(総進文理コース)の場合は、併願推薦になった途端に内申基準が跳ね上がりますので(単願推薦「5科17以上or9教科30以上」→併願推薦「5科20以上or9教科34以上」)、単願推薦がお得な受験方法と言えますね。
単願推薦がある私立高校を第一志望とする受験生に、もっとも多いパターンがこの形となります。
公立の抑えで私立を併願推薦
<難易度★★>
例:成田北高校+東京学館高校を併願推薦
前期の成績(3学期制の場合は1学期と2学期)で、併願推薦の内申基準をクリアした上で、公立入試の試験勉強に全集中します。試験勉強がある分、単願推薦のみのケースよりも労力が必要になります。
公立高校を第一志望とする受験生に、もっとも多いパターンがこの形となります。
難関私立の抑えで他私立を併願推薦
<難易度★★★★>
例:渋谷幕張高校+千葉日大第一高校を併願推薦
前期の成績(3学期制の場合は1学期と2学期)で、併願推薦の内申基準をクリアした上で、第一志望の私立入試の試験勉強に全集中です。
渋谷幕張高校は単願推薦も併願推薦もなく、一般入試のみの「一般メイン型」です。私立の一般メイン型はかなりレベルが上がりますので、必要な勉強量は格段に増えます。渋谷幕張は最大級に難しいので、例としては極端でしたね…。
単願推薦のない難関私立を第一志望とする受験生に、もっとも多いパターンがこの形となります。
難関公立+難関私立+他私立を併願推薦
<難易度★★★★★>
例:県立千葉高校+昭和秀英高校+国府台女子高校を併願推薦
前期の成績(3学期制の場合は1学期と2学期)で、併願推薦の内申基準をクリアした上で、第一志望の難関公立高校と第二志望の難関私立高校の入試対策もしなければなりません。
例に挙げた県立千葉高校は、公立高校の入試問題対策に加え、思考力を問う問題の対策も必要。さらに昭和秀英高校も一般メイン型の難関校なので、過去問などでしっかり対策をする必要がありますね。
難関公立高校を第一志望とし、併願推薦のない難関私立高校を第二志望とする受験生に、多い形がこのパターンとなります。
推薦入試でも入試対策は中1から!
親御さんのサポートで1番重要なことは「高校受験は中1から始まっている!」ということをお子さんに意識させることです。
千葉県の私立高校において、推薦入試で重要な内申点は中3の成績のみですが、たとえば、中2の学年末で5教科「15」だった成績が、中3の前期で「20」になるようなことは、99.9%ありません。少なくとも私、藤原は見たことがありません!
2021年から公立中学校の成績が「主体性を重視」してつけられるようになりました。これは、ワーク提出などの宿題をしっかりと出したり、授業中に積極的に手を挙げたりするなど、学習意欲の高い生徒に良い成績をつけるということなのですが、これには先生の主観がどうしても入ってしまいます。
定期テストで50点なら評定「3」、70点なら「4」というように、単純に定期テストの点数だけで評価が決まるのであれば、成績を一気に上げることができますが、実際には学校の先生の主観が入りますので、「点数は上がったけどワークの出来は前回と同じだから評定は「3」のままにしておこう」ということで、成績は現状維持…、という可能性が大きいのです。
心理学的にも「現状維持バイアス」という認知バイアスが存在し、人は無意識のうちに変化を避けて、これまでと同じモノを選んでしまう傾向があります。一度評定「3」をもらってしまうと、これを「4」「5」と上げていくには大きな力が必要になってくるというわけです。
しかし、これは逆に言えば、最初に評定「5」を取ることができれば、多少点数に変化があったとしても評定「5」を維持することが出来るということ。
大事なことなのでもう一度お伝えします。
親御さんのサポートで1番重要なことは「高校受験は中1から始まっている!」ということをお子さんに意識させることです。
いかがでしたか。
ちょっと複雑でしたね…。
高校入試のしくみについては、入試が終わるとほとんど全て忘れてしまう方が多いくらいなので、全てを把握する必要はないと思います。
ですが大枠のしくみを知った上で、志望校が決まったら必ずその学校の入試説明会に参加して最新の情報収集に努めてください。
2021年度からの私立人気の過熱により、推薦基準の上昇が頻繁に起こっていますので、古い情報は全くあてにならないということも知っておいてくださいね。
ご興味がある方は、体験授業でもこういった高校受験に関する最新情報もお伝えできますので、千葉県にお住いの方はお気軽にお問い合わせください。
「体験授業を受けてみて志望校が決まった!」
「高校入試の全体像がわかりやすく掴めた!」
このような声をたくさんいただいています!
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ジャニアスの藤原でした!