それって禁句ワードかも!不登校の子供に言ってはいけない言葉とは?

悩んでいるお母さん 不登校

こんにちは。
家庭教師のジャニアスの木戸です。

不登校のお子さんとの会話の中で、つい言ってしまったひと言で、子どもを傷つけてしまったり、親子関係が悪化してしまったり、といった経験をお持ちの親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

「いつになったら学校に行くの?」
「なんでそんなに行きたくないの?」
「このままで高校受験はどうするの?」

家庭教師の体験授業でお伺いした際にも、お子さんにこのようなセリフを投げかけてしまう親御さんもたくさんいらっしゃいました。

もちろん、お子さんの為を思っての発言であることはわかりますが、そのような声掛けはお子さんが抱いている不安やプレッシャーを増大させてしまい、状況をさらに悪化させてしまう原因にもなりかねません。

今回の記事では不登校にお悩みの親御さんに向けて、「それって禁句ワードかも!不登校の子供に言ってはいけない言葉とは?」というテーマでお話させていただきます。

不登校の子供に言ってはいけない言葉

親が不登校の子どもに伝えるその言葉。
その多くは正しいことですし、言い方を変えると「正論」かもしれません。しかし、その「正論」が子どもを追い詰め、苦しませてしまうことも。

不安、恐怖、孤立感、自己否定、ストレスなど、子どもたちが内面で抱えているこれらの感情は、親御さんが思う以上に複雑で深刻かもしれません。

子どもたちが直面している不登校という状況は、単に「学校に行かない」という表面的な問題ではありません。その背景にはさまざまな感情や葛藤が存在しており、「正論」を言われてしまうと、心の逃げ道が閉ざされ、逆効果になってしまうことも多いのです。

親御さんの言葉は、子どもにとって非常に大きな影響力を持ちます。そのため、不登校の子どもに対しては、特に慎重に言葉を選ぶ必要があるということを覚えておいてください。

時には、親御さんが良かれと思って言った言葉が、お子さんにとっては重荷となり、彼らの心をさらに閉ざしてしまうこともあるからです。

では、ここからは「不登校の子どもに言ってはいけない言葉」の具体例をいくつか紹介していきたいと思います。

「学校に行きなさい!」

これは多くの親御さんが言ってしまうセリフ。
このような、強制的な言葉や命令口調はNGです。

子どもは自分の感情や状況を、親に理解してもらい、受け入れてもらいたいと常に願っています。そんな中で、「学校に行きなさい!」と命令口調で言われてしまうと、「やっぱり親はわかってくれない…」と、失望させてしまうかもしれません。

不登校の子どもは、登校に対してさまざまな理由で抵抗を感じています。強制的な言葉や命令口調ではその心の壁を乗り越えることができないということを知っておいてください。

強制的な言葉や命令口調は、子どもが感じている不安や恐怖を増大させ、心理的な抵抗をさらに強めてしまうことになるのです。

代わりにこんな言葉をかけてください。

「今はムリして登校しなくていいからね」
「とにかく今はゆっくり休んでみようか」

まずは、子どもが学校に行きたくないという感情を受け入れて、その考えを理解しようとする姿勢を見せてあげてくださいね。

「いつになったら学校に行くの?」

この問いかけは、不登校の子供にとってプレッシャーでしかありません。子供は自分でも学校に戻れるタイミングを見つけることに苦労しています。

「行かなきゃならないのは分かっている…」
「でも学校に行けない…、行きたくない…」

そんな葛藤と毎日戦っている中で、親からの「いつになったら学校に行くの?」という問いかけは、子どもが感じている不安やストレスを増幅させてしまうことになり兼ねません。また、学校復帰をさらに困難にさせてしまう原因にもなってしまいます。

私たち大人でも、今抱えている問題や挑戦に対して、周囲からの圧力を感じることってありますよね。例えば、仕事での昇進がなかなか上手くいかない時に、「いつになったら昇進するの?」と聞かれてしまうと、すでに感じているプレッシャーが増幅されます。

自分の進むべき道やタイミングに対して、家族や他人から圧力をかけられると、ストレスを感じて自信を失うことすらあります。特に敏感な時期にある不登校の子どもにとって、親からの「いつになったら学校に行くの?」という問いかけは、彼らの内面的な葛藤をより深刻なものにしてしまうのです。

「今日から行くって言ってたよね!」

お子さんが「明日からは行けそう!」「夏休み明けからは行く!」と、その時は決断していても、いざ当日になったら「やっぱりムリ…」ってなってしまうことはよくあることです。親から見れば期待を裏切られた気持ちになりますよね。

そんな時に親御さんが言ってしまいがちなのが、「今日から行くって言ってたよね!」「新学期からは行くんじゃなかったの?」というセリフ。学校復帰へ期待をしていたので、つい、言ってしまうお気持ちは本当によくわかります。

ですが、ここはグッと堪えてください。

これらの言葉は、子どもがすでに感じている罪悪感や失望感をさらに強めることになります。お子さんは自分自身で学校行くという約束を果たせなかったことに対して、大きなプレッシャーと失望感を感じています。親御さんからの「今日から行くって言ったよね」という言葉は、お子さんの責任感を過剰に刺激し、自己肯定感をさらに低下させてしまうのです。

がっかりした表情もNGです。
どうか落胆しないであげてください。

不登校の子どもは、自分の感情や状況をコントロールすることに苦労しています。お子さんが「明日からは行けそう」と言った時、それはその瞬間の希望や意欲の表れですが、実際に行動に移すことは予想以上に困難だということを理解してあげてください。

当日になって「やっぱりムリ…」となってしまったときは、親御さんは決して責めたりせず、「今日は難しかったね。大丈夫、無理しなくていいよ」と優しく声掛けをして、お子さんの感情を受け入れてあげてくださいね。

「なんでそんなに行きたくないの?」

不登校は親にとって大きな心配事。一刻も早く解決策を見つけるために、その理由や原因を知りたいというお気持ちを持つことは当然です。もちろん、学校に行きなくない理由を子どもに聞くこと自体が悪いというワケではありません。

ですが、「なんでそんなに行きたくないの?」といった、子どもを詰問するような問いかけは避けてください。自分の不安や苦悩を親は理解してくれないと感じさせてしまうかもしれませんし、直接的な質問はお子さんを追い詰めてしまうことにもなり兼ねません。

また、不登校の子どもたちは、学校に行きたくない理由を親には言いたくない場合もあります。さらに、お子さん自身もその理由を完全にわかっていないことも多く、理由を聞かれても、上手く答えることが出来ないということを理解してあげてください。

代わりに、話をじっと聞いてあげられる機会を与え続けることが大切。

「無理して話さなくでも大丈夫だよ」
「心配事があったらいつでも話してね」

お子さんのペースとタイミングで、自分の気持ちをオープンに話せる機会を整えることで、彼らは自分の感情を少しずつ表現できるようになります。親御さんが示す理解とサポートが、お子さんの自信を回復し、学校復帰への道を開くカギとなるのです。

「他の子は毎日登校しているわよ!」

不登校の子どもに限った話ではなく、他人と比べられるのは非常に傷つくものです。他人だけではなく兄弟との比較も同じです。「妹は毎日学校に行っているのに!」「少しは弟を見習いなさい!」なんて言葉も絶対にNGです。

比べられることで、お子さんは自分が「普通ではない」「劣っている」と強く感じてしまい、自己肯定感を大きく下げて孤立感を深めてしまいます。それが不登校の問題をさらに悪化させてしまうことにも繋がるのです。

他人との比較は、お子さんを奮い立たせようと思ってかける言葉だと思いますが、他人と比べられて「よし!自分もがんばろう!」なんて奮い立つ子どもはほとんどいません。かえって子どもの心を深く傷つけてしまうということを知っておいてください。

代わりにこんな言葉をかけてください。

「あなたのペースで大丈夫。焦らないでね」
「他の子のことは気にしなくてもいいからね」
「いつかは学校復帰できるから心配しないで」

「このままで高校受験はどうするの?」

お子さんが中学生の場合、いずれ訪れる高校受験は大きな不安要素のひとつですよね。勉強の遅れはもちろん、欠席日数の増加や内申書に書かれる評定も心配ですし、このまま不登校状態が続いてしまうと、高校進学はムリかもしれないという不安は大きいと思います。

お子さん自身も高校進学に対する現実的な問題は十分に理解しています。ですが、現在の状況を乗り越えようとすることに精一杯で、将来のことを考える余裕なんかありません。

そんな中で、親からの不安を煽るような言葉は、子どもの不安を増加させてしまい、多大なプレッシャーを与えてしまいます。高校受験に限らず、将来に対する問いかけも避けるようにしてくださいね。

代わりにこんな言葉をかけてください。

「今は進学よりも君が元気になることが大切だよ」
「焦る必要なんかないよ。ゆっくり考えようね」
「高校なんてどうにでもなる!大丈夫だからね」

「そろそろ定期テストが始まるみたい」

不登校のお子さんほど、学校行事などの情報を知っておくことは重要です。親御さんは可能な限り、学校の先生と連携を取って情報共有してください。

ですが、学校の情報を子どもに伝えることは注意が必要。不登校の子どもは学校の話題に拒絶反応を示すことがあるからです。定期テスト、運動会、修学旅行など学校行事に関することは、親御さんは知っておくべき情報ですが、その情報をお子さんに伝える際には慎重になる必要があります。

特に、学業に関する話題や、クラスメイトからの疎外感を感じさせてしまう話題には、お子さんの現在の心理状況を考慮することが重要。学校の話題を持ち出すことがお子さんの不安やストレスを増幅させてしまう場合、すぐにその話題を避け、他の話題に切り替えるなどの柔軟性をもつことが大切です。

ですが、お子さんから「今度の定期テストっていつ頃かな?」「修学旅行のこと先生から聞いてる?」など、学校のことを聞いてきたら、それは現実に向き合おうとしているタイミングかもしれません。親御さんは学校復帰への期待をし過ぎずに、冷静に教えてあげてくださいね。

不登校の子どもにとって、学校に関する話題は敏感なもの。親御さんはこの点を理解し、配慮を持って接することがお子さんの心理的な安定に寄与します。

「あなたが不登校だとママ恥ずかしい」

このような発言は、子どもに深い罪悪感と絶望感を与えます。お子さんはすでに自分の状況に対して複雑な感情を抱いており、親の社会的立場に関するプレッシャーを感じさせることは、お子さんの自尊心にさらなる打撃を与えることになるのです。

「あなたが不登校だとママ恥ずかしい」
「あなたのせいで肩身が狭くなるのよ」
「いつまでママに恥をかかせるつもり?」

こんな言葉を聞くと絶望的になります。

親が社会的な見栄や他人の目を気にしていることを知ることで、自分の存在が家族にとって負担であると感じてしまい、孤立感や自己否定を深めることに繋がります。お子さんは親に対して心を閉ざし、信頼関係が大きく損なわれてしまうことにも…。

お子さんが抱えている問題は、ご家族の社会的な立場よりも重要です。親御さんがこの点を理解し、お子さんの今の状況を受け入れてあげることこそが、彼らの自尊心を回復し、学校への復帰を助けることになるのです。

「学校に行かないなら働きなさい!」

これも言ってしまいがちな言葉。子どもが学校に行かないことに対する親の失望や怒りを表すセリフですね。もちろん、親御さんは本気で子供を働かせたいと思っているわけではありませんし、お子さんもそのことはわかっています。

ですが、実際に働くことができない子どもに対して「学校に行かないなら働きなさい」と無理難題で迫ることは、子どもがすでに抱えている不安やストレスを増大させ、非常に厳しいプレッシャーを与えるもの。逃げ道のないところに追い詰めてしまうことと同じです。

不登校の子どもは、学校に行くことに対して様々な課題や困難を抱えています。その状況を乗り越えるためにはある程度の休息と時間が必要なのです。学校に行けないことに罪悪感を抱いているお子さんに、さらなる追加のプレッシャーを与えてしまうことは、不登校の状況を改善するどころか、さらに悪化させてしまう可能性さえあります。

毎日、家事やお仕事でお忙しい親御さん。
学校に行かずに家にいる子供に対して、「学校に行かないなら働きなさい!」と言ってしまうお気持ちもよくわかります。

ですがグッと堪えてこんな言葉を掛けてください。

「学校が無理なら他の方法もあるみたいよ」
「フリースクールとかも考えてみようか?」

お子さんにとって実現可能で、できるだけ敷居の低い選択肢を与え続けることが大切です。


いかがでしたか?

今回は、子どもの不登校でお悩みの親御さんに向けて「それって禁句ワードかも!不登校の子供に言ってはいけない言葉とは?」というテーマでお話させていただきました。

言葉って本当に難しいですよね。
ほんの些細なニュアンスの違いで、子どもの心に大きな影響を与えてしまうことがあります。特に不登校の子どもの心は非常に敏感で、親御さんの言葉ひとつに深く反応します。

私たち大人は、彼らの立場に立って、どのような言葉が彼らを励ますのか、または傷つけてしまう可能性があるのかを常に意識する必要があります。

親御さんが子どもに対して最も大切にすべきことは、彼らの感情を尊重し、理解しようとする姿勢です。子どもたちが自分の感情を安心して表現できる環境を整えることが、彼らの自尊心を育み、学校への復帰への道を開く鍵となります。子どもたちが抱える問題に共感し、サポートすることで、彼らは自分自身を理解し、自信を取り戻すことができるのです。

不登校の子どもを持つ親御さんへ

家庭教師のジャニアスには、不登校の生徒さんもたくさんいます。多くの親御さんとお話させていただく中で、子どもが不登校になってしまったことを、ご自身のせいだと思っている方もいらっしゃいました。

「私の育て方が間違っていたのかしら?」
「家庭環境が子供に負担をかけたのかも…」

そんなな声もたくさんお聞きします。

どうかご自分を責めないでください。
子どもの不登校は親のせいではありません。

子どもが不登校に直面していることは、ご家族にとって深刻なことかもしれませんが、それは同時に成長の機会でもあります。この困難な時期を通じて、お子さんとの信頼関係を深め、これまで以上の強い絆を築くことができるチャンスだと捉えてください。

親御さんがお子さんに示す愛情、理解、そして忍耐は、不登校の問題を乗り越えるための最も強力なサポートとなります。一緒にいること、話を聞くこと、そして何よりお子さんを信じることが、学校復帰への道を照らすのです。

不登校は一過性の問題ではなく、時には長期的な取り組みが必要です。ですが、親御さんの愛情深いサポートと適切な対応があれば、お子さんはこの困難を乗り越え、より強く、自信に満ちた人間へと成長することができます。

私たち家庭教師のジャニアスでは、全体の2割くらいの生徒さんが不登校か不登校気味のお子さんです。家庭教師との出会いを通じて、やる気と自信を取り戻し、学校復帰を果たせた生徒さんもたくさんいらっしゃいます。

大切なことは、今、この瞬間からお子さんをサポートし、一緒に前に進むことです。あなたとお子さんの絆は、どんな困難も乗り超える力を持っています。親子で力を合わせて、一歩ずつ前へ進んでいきましょう!

不登校のお子さん向け 家庭教師ジャニアスの指導サポート